天皇杯名物“ジャイアントキリング”

  • 2019/08/19 更新

天皇杯名物“ジャイアントキリング”

天皇杯といえば、プロとアマがサッカー日本一を争う大会。
その大会において今や名物となっているのが、「番狂わせ」ではないでしょうか。
J1、J2によるプロ同士の戦いから、アマチュアチームがプロチームを倒す、いわゆる「ジャイアントキリング」と呼ばれる「大物喰い」まで、その与えるインパクトは様々です。
今回はこれまでにあった印象的なジャイアントキリングを振り返ってみます。


■2003年 高校生がJ王者を追い詰める!市立船橋高校
市立船橋高校(千葉)はインターハイで9度、全国高校選手権で5度の優勝を果たす、高校サッカー界の名門として知られています。
その栄光の歴史の中でも、2003年度の天皇杯はサッカーファンに衝撃を与えました。なんと高校生たちが当時“日本最強”チームをギリギリまで追い詰めたのです。

市立船橋は初戦から存在感を示しました。1回戦の相手は日本フットボールリーグ(JFL)に参入を決めたばかりのザスパ草津(現・ザスパクサツ群馬)。
なんとゴールマウスは1998年のワールドカップ・フランス大会のメンバーでもあった小島伸幸選手が守っていました。
そんな格上相手にゴールを奪い、初戦からジャイアントキリングを起こしました。

2回戦でもカテゴリーが上の阪南大学(大阪府)に1-0と競り勝ち、続く3回戦では、その年のJ1リーグを制覇した横浜F・マリノスとの対戦になりました。
日本代表選手らを温存していた横浜FMですが、早々と王者の力を見せ2点を奪います。
しかし、ここから市立船橋の反撃が始まり後半セットプレーから1点を返し、試合終了残り5分、劇的な同点ゴールが生まれます。
その後も市立船橋の選手たちは懸命に戦い、延長戦でもゴールを守り抜き、PK戦までもつれ込んだ結果、惜しくも市立船橋は横浜FMに敗れてしまいました。
敗れてしまいましたが、高校生チームがトッププロチームに奮闘したこの試合は長い歴史のある天皇杯でも忘れることのできない試合の1つになっています。

■2009年 天皇杯の歴史を塗り替えた!明治大学
この年まで、天皇杯の長い歴史の中で、大学生チームがJ1クラブに勝ったことはありませんでした。それを始めて成し遂げたのが明治大学でした。
3回戦で対戦したのはモンテディオ山形。格上相手にも臆せず戦い、前半からシュート数でも明治大学が上回り、先制に成功します。
その後も明治大学の流れは変わらず、後半に追加点を奪い、勝利をつかみ取りました。
この年をきっかけに大学生チームによるジャイアントキリングが増えていきました。

そして2019年、現在行われている天皇杯でも“ジャイアントキリング”を達成しているチームが!
快進撃を続けるのは昨年の全日本大学選手権優勝のオレンジ軍団、法政大学。
2回戦でJ2の東京Vに勝利し、3回戦では、J1のガンバ大阪と対戦しました。
前半に法政大学が先制に成功し、後半にも追加点、終始試合の主導権を握った法政大学がなんとJ1のガンバ大阪を倒す、文字通りのジャイアントキリングを達成しました。
気になる法政大学の4回戦の相手はJ2のヴァンフォーレ甲府に決まっています。

今年の4回戦の対戦カードは以下の通りです。
開催予定は9月18日。

ヴィッセル神戸 vs 川崎フロンターレ
サンフレッチェ広島 vs 大分トリニータ
サガン鳥栖 vs セレッソ大阪
ジュビロ磐田 vs 清水エスパルス
鹿島アントラーズ vs 横浜F・マリノス
浦和レッズ vs  Honda FC
V・ファーレン長崎 vs ベガルタ仙台
ヴァンフォーレ甲府 vs 法政大学

法大旋風はいつまで続くのか、次節も法政大学のジャイアントキリングに期待です!

 

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