最新技術が光る試合!

  • 2018/06/19 更新

最新技術が光る試合!

フランス対オーストラリアの一戦は最新テクノロジーが複数回登場しました。
ロシアワールドカップは16日にグループCの初戦が開催され、フランスとオーストラリアが対戦しました。試合はフランスが2-1でオーストラリアを下し、勝ち点3を獲得しました。
試合内容もさることながら、この試合で注目されたのは最新のテクノロジーが使われる場面があったことです。
後半11分、フランスは鋭い縦パスに抜け出したグリーズマン選手がオーストラリアのリズドン選手にペナルティエリア内で足をかけられました。主審は一旦プレーを続行したものの、ビデオ・アシスタント・レフェリー(以下、VAR)にて該当プレーを確認するため、試合が一旦中断されました。VARとは、今大会から初めて導入されるシステムで、主審がピッチで起きた事象について映像を用いて確認することができるシステムのことです。

VARについては、以前記事にてご紹介しておりますので、ご覧ください。

ワールドカップ開幕目前!初導入のVARとは

VARでの確認を終えた主審はPKスポットを指してフランスにPKを与えました。このPKをグリーズマン選手が決めてフランスが先制。今大会から導入されたVARで、初のPKが与えられた瞬間でもありました。
さらに同点となって迎えた後半36分、フランスはオーストラリアのペナルティエリア内に侵入。ポグバ選手がシュートを放つと、ボールはゴールバーにあたって下方向に跳ね返る。ゴールネットは揺れなかったものの、主審はゴールラインテクノロジーを用いて得点の判定を下しました。

サッカーではゴールラインの外側に、ボールの一部分でなく全てが入った時に初めてゴールが認められます。シュートがゴールネットに突き刺さるような、わかりやすい場面は問題ありません。しかし、ゴールライン間際のきわどいところでキーパーが弾き出したりした場合、ラインを超えたかどうかを判定するのが非常に難しくなります。
サッカーのルールでは、ゴールラインを超えたかどうかは副審が判断することになっていますが、ミドルシュートや速攻の場合、副審がゴールの真横に立つことが難しく、度々誤審の原因となっています。

そこで、技術の力を借りて正確に判定しようというのが、このゴールラインテクノロジーです。この技術では、7台のハイスピードカメラでゴール付近を毎秒500コマで撮影。ゴールラインをボールが完全に超えたかどうかを判定し、超えていた場合、1秒以内に主審の腕時計に振動とともに「GOAL」と表示させ、ゴールであることを伝える仕組みです。

ロシアワールドカップ初のVAR判定によるPKとゴールラインテクノロジーを用いた判定。サッカーの最新テクノロジーが光る試合となりました。

フランスの2得点ともに最新テクノロジーを使った判定がくだされました。
この新技術については賛否両論あります。
新技術を賛成しているFIFA会長のジャンニ・インファンティーノさんは「このテクノロジーは審判を助ける上で、最良のものになるだろう。この新技術は、サッカーの未来であると考えている。」と言っています。

一方で、新技術に反対している人もいます。フランス代表のアントワーヌ・グリーズマン選手は「VARは、待たされることが短所だね。僕がゴールを決めた時に、暫くしてノーゴールになってしまった。時代の流れだってことは分かっているけど、実に残念なことだ。サッカーの楽しさが消えつつあるんじゃないかな。」と言っています。

選手たちは試合の流れや、ゴールを決めた際の歓喜を止められることに不満を持っていることがわかります。
しかし、日頃から審判をやっている私は、審判を欺く行為も減ると思いますし、新技術に賛成です。基本的には審判がジャッジし、際どい場面を最新技術に頼る。多少試合は止まってしまいますが、高潔性が高まるのであれば、そちらのほうが良いと私は考えます。
最近でも、誤審が原因で脅迫を受けるというニュースが取り上げられました。誤審をしようと思っている審判はいません。審判を助ける意味でもこの新技術は今後も活用するべきだと私は考えます。

賛否両論の新技術、みなさんはどのように考えますか?

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